- Blog記事一覧 -腰痛

腰痛

2020.12.26 | Category: 坐骨神経痛,整体,腰痛,鍼灸

腰という漢字は「月(にくづき)に要」といわれるように、身体に中心にありとても大切な箇所です。腰を痛めると日常生活にも多くの支障をきたすようになりますので1日でも早い症状の改善と、予防が必要になってきます。腰をかばっての日常生活は、さらなる腰痛の悪化と、日常生活の自由を奪う結果になるかもしれません。

腰痛は日本人が訴える症状の第1位で、総計開始から24年で49%増加というまさに「国民病」と言える疾患です(国民生活基本調査.2013)

職業性腰痛の総医療費は「年間約 820 億円」にのぼります。腰痛による休業や失業に起因する社会的損失は莫大なものになります。

皆さんもこんな経験ありませんか?

「朝起きてからずっと腰が重い」

「腰を動かすと痛みや違和感を感じる」

「長い時間の同じ姿勢を取るのがきつい」

「数分間、歩くと腰から足に痛みが出てくる」

「靴下やズボンを履く際に動きが悪い・痛む」

「足全体にシビレ感・冷感がある」

「病院では「レントゲンに問題ない」と言われたがずっと痛む」

「背骨が曲がっていると感じる」

以上のような事、そして腰に不調を感じたら、我慢せず早めにご来院ください。

腰痛でやっかいなのは「発症率」が高く「慢性化」「再発率」が高い。という事です。

腰痛の数字

◇発症率

・腰痛は日本人が訴える症状の第1位:統計開始から24年で49%増加(厚生労働省国民、生活基礎調査、2013)

・40 歳以上の約 2,800 万人が腰痛保有(男性では40-50歳代をピークに減少も、女性では年齢と共に骨粗鬆症と共に増加)

・時点有病率は約25%、年間羅患率は約43%、生涯羅患率約70%

◇再発率

・既往歴のない患者の22%、既往歴のある患者の56%が1年以内に再発し、全腰痛患者の再発率は60%

・痛みと活動障害は1か月で改善して82%が職場復帰を果たすものの、1年以内に73%が再発

◇慢性化率 

・一般住民の30%が慢性頚肩腕痛に、23%が慢性腰痛に苦しんでいる

・慢性痛患者の約50%が同時に慢性腰痛を抱えている

このように腰痛は、その他の疼痛性疾患よりもとても厄介な疾患と言えます。

しかし腰痛の特性である、この3つの要因は適切な知識と施術があれば十分改善します。

発症後、早い段階で施術を開始することで「再発率」「慢性化率」を限界まで引き下げることが可能です。

腰痛の定義

定義で確立したものはなく、主に疼痛部位発症からの有症期間、原因などにより定義される事が多く、一般的には触知可能な最下端の肋骨と殿溝の間の領域に位置する疼痛の総称とされます。症状の期間からは、

➀急性腰痛(発症からの期間が4週未満)

②亜急性腰痛(発症からの期間が4週以上から3ヵ月未満)

③慢性腰痛(発症 からの期間が3ヵ月以上)

に分類され、原因の明らかな腰痛(特異的腰痛)と明らかでない腰痛(非特異的腰痛)に分類されます。

腰痛の分類

腰痛は大きく分けて「特異的腰痛」「非特異的腰痛」に分類できます。

特異的腰痛とは重大疾患の可能性、生命を脅かすような重篤疾患や緊急手術を要する疾患(悪性腫瘍・脊椎感染症・骨折・馬尾症候群など)による腰痛で、全体の5~15%です。

非特異的腰痛は腰椎部・仙骨部・臀部・大腿部への動作時の痛みがあり、骨や神経に異常がなくても歪みからくる姿勢性の痛みや、各関節の代償運動など、この腰痛の多くはMRIやレントゲンなど画像検査で異常が見当ない原因が不確定な物です。全体の85~95%がこちらに該当します。

腰痛の原因は千差万別ですが、整骨院・鍼灸院では後者の非特異的腰痛の施術を非常に得意としています。

ですが、中には特異的腰痛(腰痛全体の5~15%)と呼ばれる悪性腫瘍や婦人科や泌尿器科など内臓の病気で腰痛が引き起こされている腰痛も存在しますので、鑑別が重要になります。私達も怪しいと思われる腰痛は病院を紹介させていただきます。

腰痛にはどんな原因があるのか

「筋筋膜性腰痛」「椎間関節性腰痛」「仙腸関節炎」などの「ぎっくり腰」(急性腰痛)と呼ばれるもの。

「椎間板ヘルニア」「腰部脊柱管狭窄症」「腰椎分離・すべり症」「変形性腰椎症」「圧迫骨折」などの器質的変化のあるもの。

「坐骨神経痛」「馬尾症候群」などの支配神経領域まで神経症状が出るもの、など症状も千差万別です。

原因も「この症状には100%これ!」というものはないもののしっかりとした問診・検査・カウンセリングで答えを導いていきます。

当院に通う腰痛患者さんで多いのは

「骨格の歪み」が原因の姿勢性の痛み
「背骨・骨盤の可動域の低下」が原因の痛み
「股関節、膝、足首の可動域の低下、代償」が原因の痛み
「日常生活・スポーツ活動などの筋肉疲労」が原因の痛み
         「東洋医学的な所見」が原因の痛み

などあげられ、以上のものはしっかりとした施術で改善できます。

腰痛とヘルニアの関係性

皆様はヘルニアという単語を聞いてどのような印象をお持ちでしょうか?痛そうに聞こえますか?

今まで「腰痛」=「ヘルニア」という常識が医学界を、世の中の常識でした。確かに腰痛患者さんには「ヘルニア」を訴える方が多いです。ですが最近の研究では「腰痛」=「ヘルニア」という常識は通用しません。

健常者(痛みの無い人)にも検査をしたら椎間板に異常が見つかった、というのが非常に多いのが分かってきました。つまり「痛くない人でもヘルニアを持っている人は多くいる」ということです。

ではどのぐらいの割合でしょうか??

「健常者の椎間板ヘルニアは76%・椎間板変性は85%」

→有痛性椎間板ヘルニア患者46名と健常者46名をMRIで比較

つまり、殆どの人がヘルニアをもっており、その多くの人が腰痛を発症していないという事です。

椎間板ヘルニアの特長をまとめると

・椎間板ヘルニアの殆どが「3か月以内に白血球に貪食され自然治癒する」

・椎間板ヘルニアを「持っている方が多数派」

・椎間板ヘルニアを持っている人の多くが腰痛を「発症していない」

・椎間板ヘルニアが出ている事より「椎間板ヘルニアを繰り返し誘発する姿勢」などの方が問題

・椎間板ヘルニア診断でも非特異的腰痛の可能性が高い

というものになります。

引用 椎間板ヘルニアの症状と治療および予防法

腰痛に関する世界各国の動き

世界にはさまざまな医療がある中で各国の腰痛症に関する独自のガイドラインが存在します。

代表的なものは以下の通りです。

■ Newzealand(2004)

■ European COST(2004)

■ 腰痛診療ガイドライン(2012)日本整形外科学会、日本腰痛学会

■ 腰痛診療ガイドライン(2019)日本整形外科学会、日本腰痛学会

■オーストラリア:Australasian Faculty of Musculoskeletal Medicine: Acute Low Back Pain Guide

■ノルウェー:Acute Low Back Pain Clinical Guidelines

■イギリス:Royal College of General Practitioners: Acute Low Back Pain Guide

■アメリカ:U.S. Agency for Health Care Policy and Research (1994)

■デンマーク:Danish Health Technology Assessment on Low Back Pain

■オランダ:Royal Dutch Society for Physical Therapy Clinical Guidelines

特にその中でも医学的根拠の高いのは「腰痛ガイドライン(Newzealand(2004)、European COST(2004)です。

腰痛ガイドラインとは多くの国で作成し使用されている腰痛を診る(治療する)うえでの「基準」となる物です。

では何故、この腰痛ガイドラインが作られたのでしょうか。その成り立ちは現代日本でも問題になっている「医療費高騰」という問題があったからです。

「慢性腰痛患者1人当たりの医療費は年間86~181万円($9千~1万9千)」

「1990年度における腰痛の直接医療費は1.2兆円($130億)超で毎年7%ずつ増加中」

とんでもないデータですね!この医療費高騰を防ぐため作られたのが「腰痛ガイドライン」と呼ばれるものです。

しかし、、、腰痛は世界からなくなっていないという悲しい現状があります。

「腰痛と重篤疾患」

腰痛を訴える方の少ない割合ではありますが見逃してはいけない患者さんがいらっしゃいます。

それが「レッドフラッグ」と呼ばれる患者さんです。

このレッドフラッグには臨床上、大きな意味があります。それは「重大な脊椎病変」の可能性があるかどうかを見極めるものであるという事です。

その為には以下のチェック項目が有効になります

■ 発症年齢が20歳未満か55歳超

■ 最近の激しい外傷歴(高所からの転落、交通事故など)

■ 進行性の絶え間ない痛み(夜間痛、楽な姿勢がない、動作と無関係)

■ 胸部痛

■ 悪性腫瘍の病歴

■ 長期間にわたる副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)の使用歴

■ 非合法薬物の静脈注射、免疫抑制剤の使用、HIVポジティブ

■ 全般的な体調不良

■ 原因不明の体重減少

■ 腰部の強い屈曲制限の持続

■ 脊椎叩打痛

■ 身体の変形

■ 発熱

■ 膀胱直腸障害とサドル麻痺

などです。この項目に1つでも該当した場合は「重大な脊椎病変の可能性」を疑わなければいけません。

脊椎病変だけではなく腰痛には内臓器からの症状もあります。例えば、腎盂腎炎、腎結石症、膵炎、胆嚢症、胆石、前立腺炎、尿路結石、子宮内膜症などただの腰痛との見極めが大切になってきます。

腰痛の検査

腰痛症の徒手検査には大きく分けて以下の15種類が存在します。

患者さん、お一人お一人の状態を確認しながら必要な徒手検査を組み合わせて鑑別診断を行います。

1)下肢伸展挙上テスト(Straight Leg Raising test:SLR テスト)

2)Bragard test

3)Lasegue test

4)大腿神経伸展テスト(Femoral Nerve Stretch test:FNS テスト)

5)Bonnet test

6)Thomas test

7)Ely test

8)Patrick test

9)Newton test

10)Gaenslen’s test

11)Kemp test

12)Trendelenburg’s sign(Trendelenburg’s test)

13)Double Leg Raise test

14)健側下肢伸展挙上テスト(Well Leg Straight Raising test)

15)Flip test(詐病、心因性要因鑑別テスト)

当院での施術

・温熱療法

赤外線治療器を使用し慢性腰痛で固まってしまった腰~背中、臀部の筋肉の血流を改善し老廃物や痛みの発痛物質を除去していきます。

・電気療法

腰痛により、負担がかかって固まってしまった筋肉への柔軟性の向上を目的に行います。疼痛部位への痛みの軽減とともに、機能低下を起こしている筋肉への通電により可動性を獲得します。

・マニュピレーション

マッサージ的な施術で腰痛により、負担のかかった筋肉に徒手によりアプローチをしていきます。患部を含めた全身の筋肉を緩めていきます。

・整体治療

整体は骨盤や背骨、手足など体全体の骨格の歪みやズレの矯正と筋肉の調整をします。整体によって身体のバランスを正常にすることで、本来もっている身体機 能を取り戻して腰が痛む原因を根本的に治します。骨盤や背骨が正常になるということは、体の外側も内側も健康になるということです。

・鍼灸治療

鍼治療では皮膚の上から行うマッサージよりも、皮膚の下の深い所にある硬結部位(固まってしまった筋繊維)に直接アプローチすることで、痛みの原因となっている筋肉を緩めたり、発痛物質の除去や神経の圧迫の改善を行います。

灸治療では皮膚の上から習慣的な熱刺激を加えることで毛細血管を拡張させて発痛物質の除去、痛みを出している神経の興奮を沈静化させて疼痛の緩和を行います。

・メディセル筋膜療法

人が筋肉に痛みを感じるとき、多くの場合「筋膜」と呼ばれる筋肉の表面が緊張状態にあります。

この筋膜、筋肉の表面だけでなく体内隅々まで結合組織という形をとり張り巡らされているのですが、表皮のすぐ下側の部分にはリンパ液や水分があります。ここに発痛物質が溜まり、神経を刺激することで、痛みやコリ、むくみ、内出血といった症状が出てしまいます。このメディセル筋膜療法ではこの筋膜上の緊張を緩和させ痛みを取り除きます。

・オイルトリートメント

漢方薬が自然の生薬を口から摂取することに対し、アロマトリートメントは皮膚からオイルという形状の植物である精油を摂取することです。

ですので、アロマテラピーも漢方薬と同じく「病気そのものにこだわらず、体質を改善することによって健康に導く」という考え方に基づいています。

その理由から当院でのアロマテラピーを「メディカルハーブ療法」を取り入れています

・運動療法

ご来院日以外にもご自宅でセルフケアができるように指導を致します。腰痛により、機能低下が起こっている筋肉に対しての再教育、解剖生理学に基づいた正しい知識を指導し「正しい脊柱の位置、姿勢の保持」を目的として行います。

腰痛の手術に関して

患者さんから質問を受ける事の一つに「手術をした方が良いかどうか」というものがあります。

確かに痛みが強く、長引く場合にはそれも一つの選択肢になるかもしれません。ですが、すぐに決断し手術をする問う事はおススメできません。

「腰痛は一般的に手遅れになる」という事はありません。多角的に様々な手段を試してみる事をお勧めいたします。

一概に全ての手術が悪いとは言い切れません、実際、今の手術は昔に比べて精度が上がってるのは火を見るよりも明らかです〔傷は5センチだったのが7mmあれば十分のいう患者さんもいる〕

ただここで大事になってくるのが「切ったら最後、切った前と同じ組織状態には絶対に戻らない」という事です

参考文献:https://www.iwai.com/group/shokai/seikei-kijo.php

現状では有用性はそこまで高くないと考えられています。

また手術には少ないですがリスクも考えていかなければいけません

例えば、、、、「全身麻酔・手術侵襲に伴う心肺機能異常」「出血に伴う輸血」「術中・術後の麻痺「深部静脈血栓症」「術後誤嚥性肺炎」「術後感染」などなど、腰椎の手術で全身状態や生命の予後に関わる物は少ないとしてもリスクはゼロではありません。その中でも特に問題とされているのが

「術後腰下肢痛 Failed Back Surgery Syndrome : FBSS, Multiple operated back : MOB」

この術後腰下肢痛とはどういったものかといいますと

・腰椎手術を施行したにもかかわらず、腰下肢痛、しびれなどの症例が不変、残存、あるいは再発したものを指します。

・椎間板ヘルニアや脊椎症、変形すべり症、分離すべり症などの退行性腰椎部疾患由来と考えられる病態に対し、手術療法を選択し、手術後の種々の障害を呈している状態を指します。

・一般に、術後成績不良例と同義で、術前の症状が不変あるいは術後さらに、軽快している状態だけではなく、症状は術前よりも軽快しているが日常生活や社会生活の支障が残存し患者の満足がえられていない状態を指します。

・腰仙部神経根症はしばしばみられる。

・神経損傷後疼痛、椎間板原性疼痛、筋由来の疼痛、心理環境因子などが複雑に関与していることが多い。

・アメリカでは、頻度が高く、脊椎手術の適応、文化的背景などが発生率に関与していると思われる。

出典:小山なつ 「痛みと鎮痛の基礎知識」より

最後に

腰痛は肩こりや頭痛と同じくらい悩んでいる方が多い国民病とも言える症状です。大切なのは放っておかないこと。2週間以上続く腰痛、すぐ治るけど頻繁に繰り返す、何度もぎっくり腰をしている場合はすぐにご相談ください。

またご不明な点がございましたら気軽にお問い合わせくださいね。

~セドナの公式アカウント~

Facebook

Instagram


アクセス情報

所在地

〒286-0048
千葉県成田市公津の杜2-14-1 セキードセキ1F

駐車場

2台あり

休診日

木・祝日

ご予約について

当院は予約優先制となっております